対応診断アダプター
CarPortは、AutoDia K509などのVAGインターフェース、J2534パススルーアダプター、ELM327に対応しています。ここでは、お使いの車両に合った診断アダプターの選び方を説明します。
どのアダプターを選べばよいか
どの診断インターフェースを選ぶかによって、CarPortで使える機能が大きく変わります。アダプターは大きく次の3つのカテゴリーに分けられます。
VAG診断にネイティブ対応したアダプター: これらのアダプターは、メーカーの追加ソフトウェアを使わずにCarPortが直接制御します。アダプターが備えている通信ラインでは、どれでもフル機能のVAG診断を利用できます。CANバスではすべてのプロトコル(KWP1281、KWP2000、UDS)、K-LineではKWP2000に加えて旧来のKWP1281も使えます。これにより、アダプターが対応する通信ラインにつながっているすべてのECU(例:エアバッグ、ブレーキ、エアコン、コンフォートシステム、インフォテインメント)にアクセスできます。 ただし、どの通信ラインを備えているかはモデルによって異なります。KKLインターフェース単体(例:AutoDia K409)はK-Lineにしか対応していないため、CANバス搭載車(2005年頃以降)には使えません。 K-LineとCANバスの両方に対応する当社の推奨ハードウェア:AutoDia K509、K+CAN Commander 1.4、CP compact
SAE J2534アダプター(PassThru): 規格に準拠したJ2534アダプターでも、フル機能のVAG診断が可能です。ただし、K-Lineでは一部制限があります(J2534アダプターによる診断を参照)。 J2534はメーカーの枠を超えた共通規格なので、同じアダプターを他の診断ソフトウェアでも使えます。 当社で動作確認済み:Tactrix Openport 2.0、Godiag GD101、TOPDON RLink J2534
汎用OBD-2アダプター: 広く普及しているELM327などの標準的なアダプターは、エンジンECUの排出ガス関連のOBD-2診断のみに使用できます。これらのアダプターでは、それ以外のVAG固有のECU(例:ABS、車載電源、インフォテインメント)へのアクセスは技術的に不可能です。
選び方の目安:
| 状況 | 推奨アダプター |
|---|---|
| 2005年頃以降の車両(CANバス) | J2534アダプターまたはネイティブ対応アダプター(どちらもすべての機能を利用可能) |
| J2534アダプターをすでに持っている | そのまま使えます。Windowsドライバーがインストールされていれば、CarPortが自動的に認識します |
| 他の診断ソフトウェアも使う | J2534アダプター(1台でJ2534対応のすべてのソフトウェアに使用可能) |
| 2004年頃までの車両(K-Line) | K-Line対応のネイティブ対応アダプター(KWP1281のECUにもアクセスできるのはこの方法のみ) |
| エンジン警告灯とレディネスの確認だけでよい | 汎用OBD-2アダプター(例:ELM327) |
アダプター一覧
次の表は、各アダプターがどの通信ラインに対応しているか、つまりどの種類の診断に使えるかを示しています。比較的新しい車両(2005年頃以降)では、CANバスへの対応が必須である点に注意してください。
ネイティブ対応アダプター:
| 名称 | K-Line | CANバス | OBD-2 |
|---|---|---|---|
| AutoDia K509 | ✔️ | ✔️ | ✔️ |
| K+CAN Commander 1.4 | ✔️ | ✔️ | ✔️ |
| CP compact | ✔️ | ✔️ | ✔️ |
| Menke Diag 1000 | ✔️ | ✔️ | ✔️ |
| AGV 4000 expert | ✔️ | ✔️ | ✔️ |
| DIAMEX DXM1 | ✔️ | ✔️ | ✔️ |
| KKLインターフェース(例:AutoDia K409) | ✔️ | ✔️ | |
| Lawicel | ✔️ | ||
| TinyCAN | ✔️ |
J2534アダプター:
| 名称 | K-Line¹ | CANバス | OBD-2 | 動作確認済み |
|---|---|---|---|---|
| 規格に準拠したすべてのJ2534アダプター | ✔️ | ✔️ | ✔️ | |
| Tactrix Openport 2.0 | ✔️ | ✔️ | ✔️ | ✔️ |
| Godiag GD101 | ✔️ | ✔️ | ✔️ | ✔️ |
| TOPDON RLink J2534 | ✔️ | ✔️ | ✔️ | ✔️ |
¹ J2534経由のK-Lineで使えるのはKWP2000のみで、KWP1281は使えません。J2534アダプターによる診断を参照してください。
汎用OBD-2アダプター:
| 名称 | K-Line | CANバス | OBD-2 |
|---|---|---|---|
| ELM 327(例:AutoDia E327) | ✔️ | ||
| DIAMEX DX35 | ✔️ | ||
| ElmScan 5 | ✔️ | ||
| mOByDic | ✔️ | ||
| OBDLink | ✔️ |
💡 注:J2534アダプターの機能範囲は規格で定められており、モデルによって変わりません。そのため、表ではすべてのJ2534デバイスが同じ内容になっています。お使いのアダプターで実際に使える機能は、ハードウェアの検出後にCarPortのスタート画面に表示されます。
J2534アダプターによる診断
J2534は何のために開発されたのか? 規格SAE J2534(PassThru)は、独立系の整備工場が車両ブランドごとに専用のテスターを購入しなくても、ECUの読み取りや再プログラミングを行えるようにするために生まれました。米国とEUでは、自動車メーカーはこの規格を通じて自社のソフトウェアを利用できるようにすることが法律で義務付けられています。そのためにJ2534は、PC上の診断ソフトウェアと車両に接続したアダプターとの間の共通インターフェースを定義しています。これにより、1台のアダプターで何種類もの診断ソフトウェアを使えます。
前提条件:CarPortは、広く普及しているバージョン04.04のJ2534に対応しています。規格に準拠したアダプターが必要で、そのWindowsドライバーがインストールされ、規格の定めどおりWindowsレジストリに登録されていることが条件です。CarPortはハードウェア検索の際にこれらのエントリを自動的に読み取るため、ドライバーファイルを選択したり、パスを指定したりする必要はありません。検出されたデバイスは、メーカー名で表示されます。
動作確認済みアダプター:CarPortは基本的に、規格に準拠したどのJ2534アダプターでも動作します。当社ではTactrix Openport 2.0、Godiag GD101、TOPDON RLink J2534で動作を確認しています(アダプター一覧を参照)。それ以外のアダプターが使えないわけではありませんが、メーカー製ドライバーの品質には大きなばらつきがあるため、動作を保証できるのはこれらのデバイスに限られます。
対応範囲:アクセスできる範囲は、ECUがどの通信ラインで接続されているかによって異なります。
- CANバス:CarPortはすべてのプロトコル(KWP1281、KWP2000、UDS)とOBD-2に対応しています。したがって、CANバス搭載車(2005年頃以降)では、J2534アダプターでもネイティブ対応アダプターと同じくすべての機能を利用できます。
- K-Line:OBD-2のほかに使えるのはKWP2000のみです。旧来のKWP1281は、原理的にJ2534インターフェースでは扱えません。KWP1281に必要なバイト単位の受信確認が、この規格では想定されていないためです。
💡 注:KWP1281にしか対応していないECUは、主にK-Lineを使用する旧型車(2004年頃まで)に搭載されています。これらの車両には、ネイティブ対応アダプターをおすすめします。1台の車両内に両方のK-Lineプロトコルが混在している場合もあります。その場合、J2534アダプターではKWP2000のECUにはアクセスできますが、KWP1281のECUにはアクセスできません。